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若き歯科医師の持つべきビジョン
先日ある若い開業医の先生から、これからの厳しい時代にどのようなビジョンを持つべきか
どのような歯科医院を目指すべきか、という質問がありました。
これに対する答えは簡単ではありませんが、結局自分がどういう歯科医院にしていきたいかということに尽きる気がします 。
例えば自分一人と少人数のスタッフで見れるだけの患者を丁寧に見ていき、生活が成り立てばあとはあまり望まない。
患者数優先でスタッフ数人を雇用し、まあまあ 忙しい毎日を送りたい。
患者数をどんどん増やし 代わりの先生を雇用し スタッフも大勢雇用し、 法人化し、数か所の 歯科医院を経営し、 自分は理事長として 診療にあたる。
など いずれにしても これから先に必要な認識として、 医療財政は必ず 厳しくなる、 つまり 診療報酬はの増加を望めない その中で、同じ スタッフを長く雇用すれば 人件費はほぼ 今の2倍ぐらいになりまた、材料費も不安定な世の中で高騰していく 。
自分の家族の進学やその他で、生活費は増加の一途でしょう。
単純なビジョンだけでは、時間の経過に耐えられません。
スマホ時代の若人には時間をかけていく苦手な考えかもしれない。
さて そこで 将来に渡り健全な歯科医院を経営するために最も必要なのは 、その歯科医院が持つ 他の歯科医院と比較して の強みである 。それも時間の経過とともにより自然に強化増大していく強みです。
夜遅くまで診察するなど(診療時間の延長)、これは将来にわたり最終的には強みには全くならなりません、私にとっては必要のない苦労以外の何物でもありません。
周囲の 内科 外科 その他のクリニックを見てもせいぜい18時から19時までです。
これは 病を治す時間帯が人にはあるということです。根本はそこにあるのです。
19時以降の治療は予後不良になるリスクが高まります。仕事帰りに麻酔など受けたくありません。
そう思われませんか?
休む時はみんなで休むほうがよほど経営にプラスになります。
また業者の行う講習会など、明日にも上向く経営学はありえません。
例えばその強みの代表として
予防などが得意
子供の治療が得意
矯正ができる
インプラントが得意
在宅診療が得意
どれをとっても明日からすぐにできることではありません。
つまりよく 業者が宣伝しているような すぐに収益を改善するような楽観的な短観的な方法はありえなくかつ、あまり意味がなさないということになります。
そして、それぞれの強みを持つには 十何年の歳月をかけて 習熟していく必要があり またそれぞれの強みに対しての物的投資 人的投資、 それも長い年月をかけなければ 達成できないものです。
つまり 自分の歯科医院を健全に上向きにしていきたければ、何かしらの強みを目標として持ち、 それを今後何十年かで達成していき 、将来増える 雇用 も含めた経費の増大に耐えうる よう準備しなければいけないということです。
例えば私の歯科医院の強みは今は、はっきり言えます。
成人の定期的な予防処置 それと インプラント治療です。
現在7割が予防処置となり、週2日のオペをしています。
それに対する人的材料的な資産は完備されています。ただし他のことは多少の不足はあるかもしれない。けれどもあれもこれもは到底かなわないのです。
例えば 予防処置は、開業当初から、たとえ 患者が少ない時期でも、人的投資という意味で、 必ず 歯科衛生士を置き 衛生業務を充実させてきました。あとは自然の成り行きです。
患者が少ないからと言って衛生士を置かない選択はあり得ません。
インプラントはインプラントで本当に日々刻々とその技術と材料が変化していく、 それに追いついていくためには いつも 最新の情報を取り入れ 古いシステムから新しいシステムへと どんどん 投資をし 患者様に今 最も良いものを提供しています 。
これも10年20年の単位で必要なことです 。
さて私もそうでありましたが 患者が増えてくれば自然ともう一人 ドクターを雇い、できれば分院なども出そうかという気持ちにはなります。
しかし自分を慕って来院した患者様をどうして他人に任せられるのか、本当にあなたは医師なのですかと自分に問うたのです。
可能な限り短時間で強みを得るにはやはり少数先鋭が大切です。
まずは先生一人、10数名のスタッフで、スクラムを組み始めていってはいかがでしょうか。
どうぞ 若い先生方は小さな組織を維持して、皆で同じビジョンを持ち、 どんなに忙しくなっても信頼できる 長く勤務される スタッフを大事にして、皆でいつも力を合わせて忙しい毎日を乗り切って生活していくことがとても大切だと思います。
自分は到底かなわなかった理想を伝える部分もありましたが、参考にされて自分の進むべき道を全うしてください。
最後に、せっかくの皆様のホームページ、もっといろいろ先生の考えや、情報を面白く、興味がわくように日々発信してはいかがでしょうか。