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インプラントの話
昨日遭遇したケースです。
その患者さんは、近所の歯科医院で過去にインプラント手術を行ない、しばらくは良かったのですが度々腫れることがあるため、その歯科医院を受診したが、「消毒以外に何も処置をしてくれない」そのようなクレームがあり、また右下はすでに自然にインプラントが取れてそれを手に取り当院を受診されました。
昨今インプラント治療が多く行われるようになると、このようなケースで受診される方が増えています、その際に私はなぜそのインプラントが脱落に至ったのか学ぶ気持ちがあり色々と考察します。
レントゲンを撮り脱落したンプラントを拝見すると、ほぼその原因は手に取るようにわかるものです。
今回のケースはおそらく担当の歯科医師がより安全に行おうとガイドというコンピューターで作り上げる、手術を簡略にする装置を口に入れてオペをされていたと思われます。
しかし思いのほか患者さんの骨が硬く、思うように骨を削れず、つい高回転でドリルをしたために骨が熱傷を受けていたと考えられます。細く長いインプラントの選択がそれを助長しています。
インプラント手術は多くの経験を積み重ねた上で初めてできる治療で、我々歯科医師は十分に研鑚を積み行われるべき治療といえます。
しかし最も大切なこと、ここでの大きな問題は
「腫れていても何もしてくれない」
これが一番の患者さんの苦痛であったことです。
ドクターは何が問題なのかを素早く判断し対処できればこのような問題は起きなかったはずです。
早期に除去し再度埋入することは十分に可能です。
早速どのメーカーのインプラントにでも対応できる除去器具がすべて揃っているので、即日にインプラントは無事に撤去できました。
患者さんはホッとして帰宅されます。
もしこれが私が処置したケースであるならば当然、再度同じ部位に最新の技術を用い無料でインプラントを行い、4か月後には美味しく食事ができるようにする自信があります。
インプラント治療は今やいかに早くトラブルに対応できるかということが患者さんの幸福を招くか否かの最大の課題であります、そのための器具備品は周到に完備されていなければなりません。
我々にとって、インプラント治療で得られる最大の喜びは患者さんの笑顔で、その他のコスト的なものは到底無視していかねばなりません。術者にその覚悟を要求されます。
この記事はおそらく歯科従事者も閲覧されていると思いますので、どうぞ参考にしていただきたいと思います。