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人と人を紡ぐ糸

今年最後の投稿になります。どんな話にしようか悩んでいましたがこんな話にします。
毎年年末年始が近づくと思い出すことがあります。
心が締め付けられてしまうような出来事です。
もう20年程前になりますが、正月が明けてこんなことがありました。
明けて初日、凍り付くような寒い朝に診察室のドアを開け電話機を見ると、留守番電話が点灯している。
それを聞いてみると一つだけ普通じゃないメッセージが残っています。
警察からのメッセージです。
テントの中で男性がなくなっているのが住民の通報で発見されたとの知らせです。
所持品の中から私の歯科医院の診察カードが出てきたので、身元確認をしてほしいと。
診察カードの番号を聞いて調べると、私の幼友達の彼だったのです。
その時、あ、そうなってしまったのか、という溜息と同時にやるせなさからか、身震いが止まりませんでした。
彼とは小中学校の同級生で、同じクラブ活動の仲の良い仲間でした.。
彼は真面目で素直でとても勉強熱心だった。
ただ、一つだけ怒りだすと止まらないところもあった。
寒い年末のこの時期にさみしく一人でなくなった、そんな幼友達の身元確認をしたのであった。
彼と診察室でばったり会ったのはそこから遡ること1年くらい前です。
初診でそのカルテの名前を見た時にあれ?これって、と思うことがありました。
まさに彼の名前なのですね。
どうしてここにいるの、と聞くと、何でも信州の大学を卒業してその後結婚し子供を2人もうけて地元の企業に勤めていた。
ある時夫婦げんかをした際に家から追い出されたとのこと。
今は狭山にアパートを借りて一人暮らしをし、アルバイトで生計を立てている。
そんな話だった。
診察をしなくてはならないのでそれ以上は細かい話はできなかったのだがその中でも一番印象に残っているのは、
彼曰く、毎朝子どもの夢を見て起きるのだとのこと。
大変な状況なのだなと思いつつも、当時の私はいろいろなことが手一杯で、自分のこと以外考えられなくて、彼とその後に一緒に食事をしたりもう少し話を聞いてあげたり、そのようなことは微塵も頭に思い浮かばなかった。
今思うと、もしもあの時彼を気遣って、懐かしい小中学校の当時の思い出や、楽しかった記憶など共有出来ていれば、もしかしたらこのような結末にならずにすんだのかもしれないと毎年この時期になると後悔の念が再来するのです。
人と人との縁。
赤い糸で結ばれた人との縁、切っても切れないものなのでしょうか?
それとも切ろうと思えば切れるのでしょうか?
あるいは、放っておかれたら自然と消えていくものなのでしょうか。
私の診察券を取っておいた彼は私との縁を少し残してくれていた。
財布から不要なものだと捨てなかった。
けれども、偶然にも診察した.あの時の私は、彼との縁を感じても大切にできなかった。
もしかしたら、人と人との縁というのは、お互いが少し努力しなければ自然と消えていくものなのかもしれない。
昨今、年賀状終いなどと言う言葉がよく聞かれます。
特別縁のない人と年賀状をかわすのはもう必要ないかもしれない。
けれども、ちょっとでも残しておきたい人との縁があるのであれば。
それは、やはり消滅させるべきではないと思うのですがいかがでしょうか。
今年はこれでおしまいとします。
何とかおかげさまで最後まで診察できました、今日31日も気になる患者さんを診察します。
毎日が大変に忙しく、なかなかお話できなかったことをお許しください。
もう少し余裕をもった日々を過ごしたいとは思っていますが、なかなか難しい、
それでも良ければまた来年お会いしましょう。
それから Q&Aを新しくより詳しく編集しておりますので、ご興味ある方は見てください。
歯科医院のブログで、歯科と関係ないお話をすることに、これでよいのかなという気持ちが少しあります。
歯科に関係なくともよいですよと思われるかたは いいね してみてください。参考までに。
それではよいお年をお迎えください。
さとう歯科医院 佐藤 敦
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