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2025年01月19日

歯科医師としてのあるべき生涯とは

患者さまから了解を経てお見せします。

私の仕事において重要な指針となるケースです。

78歳の男性です。足腰がやや不自由になり、同時に手先もその動きにも年齢相応の衰えがあります。
おそらく歯ブラシや義歯の管理着脱が困難であることは予想できます。
この方は20年前から、欠損部を希望でインプラントにし始めましたが、70歳を超えて全身的な問題でインプラントのオペが不可能となり、計画途中で現在となっています。

赤丸がインプラントで緑がご自分の歯です。

これを拝見しますと明らかにインプラントは正常に見え、逆にご自分の歯は歯肉の炎症が強く問題を引き起こしています。
実際、患者様は自分の歯に強い痛みと不自由感を持っています。

レントゲン上でもインプラントは20年たってもなお正常に機能しています。

できれば、緑の部位までインプラントをできれば、食事に何不自由ない生活が送れていたでしょう
そこが唯一残念です。

人にライフサイクルがあるようにお口にもそれがあります。

人の寿命が長くなっていることは、その想像をはるかに超え、本来伴うべき骨格系 歯骨目耳関節など高度に分化した器官の寿命がが追い付いていないのが現状です。
つまり80歳までの寿命であれば、永久歯に代わる第三の歯が必要です。

それは、白内障でレンズを交換したり、関節を置換したり、心臓の弁を交換したりと歯に関しても何も特別なケースではないのでしょう

結論を伝えます。

概ね70歳くらいまでに、上下に噛める歯、それがインプラントでも義歯でも構わないから20本くらいしっかりと噛める歯を入れておきましょうということです。

できれば、手が不自由になって、歯ブラシが十分にできなくとも、さらに10年使える歯です。
これは、”患者” ”医師” 双方にとって大切な考えです。

また、費用についても解説します。

この方はおそらく250万円くらいをインプラントにかけているはずです。
私の意見としては、生涯食事がおいしくいただける費用対効果としてはあまりにも安い費用だと思うのですが皆様はいかに感じますでしょうか。

最後に、一般開業歯科医師への提言です。

この様に、一人の患者さんを長期間、最期まで見届けることではじめて識ることができること多くありまた学ばせていただけるのです。
決して、自分は義歯だけとか、インプラントだけとか、まして往診だけとか。
ここから先はやっといてとか。そんな生涯は避けたい。

私のことを言えば、私が看ていた患者様で通えなくなった場合は、私が往診に出向きます。

これは私にとっては義務です。一緒に年を取り朽ちていきます。
きっと最後は、外来はおざなりとなり、往診が忙しくなるのではと感じています。

そんな生涯が、開業医としてふさわしいのではと確信しています。

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