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2026年04月23日

口腔機能低下かも。

さて、今日の話題は口腔機能低下症。

 最近こんな患者さんが来院されました。

80歳を過ぎた高齢者の方です。

診療室に入る時に杖をつき足を不自由にされている感じです。

今日の最も困っていることを聴きますと、口のあちこちが痛い 食事が美味しくない 口の中が気持ちが悪い 入れ歯が合わない とのことです。

他の歯科医院にずっと通っているが一向に改善しない、こんなことをおっしゃります。

知識のない歯科医師が診ると、単なる高齢者の不定愁訴ととられがちです。

少し認知症が入っているから訴えていることがよくわからないなどと、患者さんのせいにしてしまい、まっとうに診ようとしない場合もあるかもしれません。 

ここからが医師としての腕のみせどころ。

医業の基本は、どんな状況にあっても患者さんの訴えを細かく聴きなんとかつなぎ合わせて、一つの物語を作ること。

不必要な部分を削除し、大事なところを繋ぎ合わせるとなんと立派な病変が見て取れます。 

口の中が乾いてるのですね。 

そこで。診断機器の出番です。

まずは、口腔内の細菌の数を客観的に診断します。

舌の上を綿棒で少し擦過し、パナソニックの優秀な機械で約1分で結果が出ます。

つまり、お口の中の細菌の数が著しく増えている。

次に、口の乾燥を調べてみます。

ムーカスというこれも優秀な機械で簡単に調べられます。

どうでしょうこれだけの異常があるのでお口の中というのは大変な状態です。

簡単に申し上げます。

この状態で食事を食べると、ほんの少しでもむせてその汚れが気道を経て 肺に入ると、炎症を起こします。

 一度でも大きくむせてしまえばおそらく次の朝体調がすぐれず発熱して入院。

あるいは最悪 死を迎えてしまう場合もあるでしょう。

そこでこうなった原因を探ります。

かむ力を測ってみます。

センサーをぎゅっと噛んでもらうんですね。

200ぐらい必要なところが、この方が44。

 つまり、元気よく噛んで口を動かすことができてない。

舌の力を調べてみます。

 ここで一つの物語ができていますね。

こういうことですね。

そのお口の中がどうしようもなく気持ちが悪い。当然です。

患者さんにこのことを説明して呼吸法や発音練習、そして舌を動かす運動

唾液マッサージ、そして日常生活に注意すること。

しっかりと大きな口を開けて友達とたくさん喋ること。

お風呂に入った時はほっぺたをマッサージして唾をよく出すこと。

歯ブラシをし終わった後、舌ブラシを使って舌をきれいにすること。

ゆっくりでいいので、たまには噛みごたえのあるものを噛んでみること。

このことを話しました。

患者さん曰く。

「先生のところにきて救われました. ありがとうございました」、と何度も頭を下げられました。

物語というのは作るつもりがなければ出来上がらないということですね。

そして、いわゆる患者さんの訴えには物語がある。

病気にも必ずストーリーがあるのですね。

それを診る医師にも深く謎だらけでもストーリー性を持たなければ、察することができないのです。

いろいろな本を読んだり、映画を見たり、旅行に行ったり、若い世代の方ともおしゃべりしたり、いろいろなことをしなければいけませんね。

70歳を超えた辺りから、どうも体調がすぐれない、おいしく食事が摂れない. すぐ微熱を出し口が渇いて仕方がない。

このような方がおられたらどうぞ来院されて検査を受けてみてください。 

今の時代は高齢化社会です、時代に合ったホームページからのメッセージはそのような方を対象にしていかなければと思うのですが、現状いろいろなサイトをみますと対象にズレ(若い方向けばかり)がある気がしてなりません。

ホームページ作製側の頭の中に正しい今のストーリーがよめていないのかな?

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