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歯科医師へ、 患者様へ、大切な提言

こんにちは。
今日は少し難しい話になってしまいます。
昨日昔お世話になった(慶応病院研修中に指導いただきました)
精神科の医師 宮岡 等 先生(北里大学医学部名誉教授)
「精神科医から歯科医師にお願いしたいこと」
の講演会に参加しました。
本来、歯科医に向けての講演なのですが、ブログ上ではあえて患者さん目線で優しく表現して、どんなことを日々我々が勉強しているかをお知らせ致します。
先生はもちろん、精神科のお医者さんですが、常日頃少し変わった診察をしておられます。
それは、医師と歯科医師が、ひとりの患者さんを診察するのですね。3名で診察をする。
皆さん、こんな経験ありませんか?
「すごく困っている症状があるのに、どこの病院に行っても、原因が分からない。
自分の症状の説明がうまくできない、伝わらない。
つらく、苦しい、将来が不安。
たくさんの病院を回ってしまって、先生にも嫌われているのではないだろうか。」
そんな患者さんを中心に、医師と歯科医師が、いろいろと症状を見てくれているのですね。
そのような医師が我々歯科医に通常の診療中でそのような患者さんが来院した時に、ぜひ注意していただきたいという項目をいくつかあげています。
1.診断のために安易な治療はしてはならない。
これは実は非常にありがちな事なのですが、症状に対する原因が確定していないにもかかわらず、想像であちこちの歯を削ってしまうことなんですね。
これは絶対してはならない。
患者さん自身もきちんとした診断を受け説明を受けたうえでないと、治療を受けてはならない。
その際に適している加療としては。
現時点では急いで治療しなければならない病変はない。
当面の心配はないので、しばらく様子を見たいと患者さんに伝え、絶対に分からないからもう来なくて良いなどという捨て台詞のようなことは言ってはならない。
2. 身体症状を、不安や抑うつの強さと強く関連があると推測してはならない。
また、ストレスが要因であるというようなことを、不十分な知識のまま説明してはならない。
このような場合は、自分にはわからない症状なので、他の専門の医師に相談する。
そこではっきりしなければ、自分の方でまた経過を見ると、必ず継続治療を示唆することが大事。
患者さんを見捨てない。
3.患者さんがこれだと思うような用語を使用して安易に思い込みを強くさせてはならない。
例えば。痛覚変調性疼痛などの、背景にある身体病理はほとんど仮説の状態のものなどを診断として言ってしまうと、患者さんはどこまでもそれを直すために追い求め心を病んでしまいます。
4.患者さんの訴えに共感を重視した医療面接を行う。
ストレスや不安、抑うつなどをたずねることではなく、よく訴えを聞いて(傾聴)。
聞いているということを相手に伝えて(受容)。
自分には同じ症状はないが、あればとてもつらいと思う(共感)と伝える。
以上のことを宮岡先生は歯科医師に提案しています。
特にこの4の傾聴 受容 共感 の項目を改めてみますと 目頭が熱くなります。
近年の様々な最先端機器よる診断加療は実はある意味、錯覚なのではないだろうか。
医療の基本はやはり傾聴 受容 共感 で いつの間にかこれを忘れ、患者さんもどこかに置き去りにされているのではないのだろか?
また同時に現在の医療保険制度に対しこんな問題点も指摘しています。
私も問題であると思っています。
病気というのはどんな病気でも身体的な症状が出ているもののほかに背景に何らかの心の問題も抱えてているのが常です。
しかし現状の健康保険診療の体制の中では、心の問題を治療することに対する報酬がほとんどありません。つまり本来患者さんの訴えていることを細かくゆっくりとお話を伺いたいが、なかなか時間が取れない。
先生はこのへんも厚生労働省に強く働きかけているところだといわれています。
講演後、私は宮岡先生は立派な医師だと改めて感じます。
医療は患者さんの訴えをことごとく細かく拾い上げ、それを積み重ねていることであると。
そして、医師 患者 両者は、人間のすべてがわかっているものでは決してなく、まだまだ神秘の中にあることを謙虚に受け止め、その中にも必ず解決していけるすべが隠されていることを(希望を持つ)認識することが大切であること。
ただし、今すぐに解決とはいかないのかもしれませんが。
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