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2023年01月08日
貴方の背中

ライカ ズミクロン50
1月5日の坂本龍一さんのピアノソロコンサート が放映された。
私は坂本さんを誤解していた。
世界の坂本、人離れした才能、天才、 どこか違う世界の方。
その認識は、明らかに、まったく違っていた。
坂本さんは64歳の時に喉頭癌を、そして69歳の時に大腸がんを患い、去年は入退院を繰り返し、未だ体力は万全とは言えない状態であるとご本人。
お話しする内容の節々にこの収録が最後であるかもしれないなどと言う非常にネガティブな感覚を持っておられる。
率直に申し上げてもしや坂本さんは覚悟されているのではないかと。
映像の中の坂本さんは、闘病の末痩せ細ってはいるが、その指先には脈々と熱い彼の血が流れ、確実にピアノの鍵盤をたどっている。
彼の心の流れと指先の動きそれがピアノと一体となり、生きる我々全てに勇気と希望を与えようと奏でているのである。
この1時間は私にとってのある意味 まったくの邂逅であり、彼をやさしく、愛おしく、ある意味ではごく身近な人として
憶えたのであった。
私は父の背中というものを今まで明確に識らなかった。何を意味することなのかである。
ピアノを前に彼の背中は、こう自分に説いている。
最後の時を生きるということは何も特別なことを行うのではなく
自分の最も心安らかなるその生活をそのまま維持することであると。
彼は自らのカラダで示しているのだ
本当に美しい。
今坂本さんがピアノを奏でている姿を見て、
初めて父の背中を識たのである。
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